脳を活性化すると評判の「音読」。小学生の宿題というイメージが強いですが、ストレス解消や顔回りの筋肉を鍛えるなど、大人にも効果的なんです。
特に絵本は★読み時間がちょうど良い★ハッピーなお話が多い★絵をガイドに読み方を工夫できる、、など、音読初心者さんにおすすめ。 読み聞かせボランティア歴17年、絵本専門士ふじむらゆきこが4月から全12回で音読を楽しめる絵本をご紹介します。


2025年4月
今月の1冊~
読み時間9分ちょっと。
盲目の男性と小学生の交流を描く
実話からうまれた絵本!

「バスが来ましたよ」
新年度のスタートです!明るくなった日差しのもとで服も気持ちも身軽になるこの時期は、年度の切り替えにもぴったりのタイミングなんだなぁと今更ながら感心しています(笑)
今月はそんなスタートにさわやかであたたかい風が吹き込むお話を紹介します。
お話の語り手は表紙中央に描かれた男性。病気から全盲となり、白杖を頼りにバス通勤することになった男性の不安と心細さを和らげたのは、バスの乗り降りを助けてくれる小学生の女の子でした。その思いやりの心は姉から妹へ、その友達へと受け継がれ、男性は定年まで勤めあげることができたのです・・・。和歌山市の公務員、山崎さんが感謝をこめてこの体験をつづった文章はコンクールで大賞を受賞し、絵本化へとつながりました。
絵を描いたのは松本春野さん、実は2月に講演会で盛岡にいらっしゃいました。祖母である画家のいわさきちひろさんのこと、練馬にあるちひろ美術館で育った日々の様々なエピソードに加え、この絵本についてもお話がありました。読者に「絵を読んでもらう」という思いで一場面一場面考え抜かれた絵の意図についてお話いただき、深く感動しました。私も毎月絵本の勉強会を開いていますが、「絵を読む」ってとても楽しいんですよ。ぜひ、ページをめくりながら「どうしてこういう描き方をしたのかな」と深読みしてみてほしいです。
小学生の女の子が勇気をもって踏み出したやさしさの一歩。つながっていくバトン。私たち大人が何かを気にして躊躇してしまう、そんな見えないハードルを子どもは軽々と飛び越えるのですね。さあ、私達もバトンを受け取って、新しい季節を自分も周りも心地いいものにしていきましょう♪
『バスが来ましたよ』
由美村 嬉々 作
松本 春野 絵
2022年 / アリス館