おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に暮らすご家庭が少ない傾向にあるようですが、子供が孤立しない環境をつくろうと活動をしている団体があります。
主に岩手県南で活動をするNPO法人わらすば。以前WomanGardenで代表の大内玲子さんを取材させていただきましたが、そのNPO法人わらすばが今年5月に奥州市に「NPO法人奥州わらすば」設立しました。今回は「NPO法人 奥州わらすば」の理事を務める黒沢真紀さん(43)にお話をお伺いいたしました。
真紀さんは奥州市の株式会社 松田商事の代表取締役でもあります。従業員のほとんどが男性という中でバリバリ働くお二人のお子さんのママでもあります。
今回の取材では、真紀さんがなぜ「わらすば」の活動を始めたのかを聞いてみました。
【真紀さんの主なお仕事の内容と活動を教えてください】
水沢工業団地内にて半導体製造会社様の部材管理・設備管理を生業としています。
社員10人ほどの小さな会社ですが、皆私より年齢も経歴も長いプロ集団で自慢の仲間です。
人員的に限りがあるため、社内にCSR部門を立ち上げることが難しく、今は私の方で自社における社会的責任を考えながら、社会貢献活動と課題解決の勉強中です。
今年7月から「NPO法人 奥州わらすば」に参画しています。
奥州わらすばでは子ども食堂を事業の主軸において、地域における世代を
超えた交流の場を奥州市に拡げていく取り組みを推進しています。この10年で全国に6,000箇所以上にまで広がったこども食堂を、この奥州市でも周知させるべく【奥州家族食堂計画】を実行中です。
【NPO法人わらすばの活動を始めたきっかけ】
私は岩手県奥州市出身で生まれも育ちも水沢です。小さい頃祖父母が横町で酒屋を営んでいたこともありしっかり町っこでした。今では考えられないかもしれませんが、大町・横町・駅通りは水沢の中心街。
春に開催される日高火防祭は勿論ですが、夏のざっつぁか祭りでは仙台七夕祭りにも引けを取らないくす玉飾りがあり、それを商店街それぞれに作って飾って、町全体が協力して地元を盛り上げるのを生まれた時から見て育ちました。
町内の店主さんたちはほぼ親戚のおじちゃん、おばちゃん。
悪さをすれば叱られるし、良いことをすれば褒められました。
子どもが一人でいたら「早くうちに帰りなさいよ」と声掛けは当たり前で、町全体が一つの家族のような形を成し、見守る体制が整っていたように感じます。
時代と共にあまり見られなくなった、素敵なおせっかいや優しさがつながる場が身近にあったらいいな…と思ったのが参画のきっかけです。
【活動をしていて感じることは・・?】
今は核家族化が進み、コロナ禍も相まって、世代間交流が難しい世の中となりました。不審者情報が携帯のアプリに発信されるようになり、うかつに声掛けもできません。
こども食堂はそんな世の中において、あたたかな繋がりが実感できる社会が続くよう願いを込めて運営されています。
三世代でちゃぶ台を囲むのは難しくなったけれど、地域の中であればサザエさん一家のような多世代交流が可能になる。
自分が暮らす地域社会に、そんなつながりが笑顔と共に広がっていけばいいなと思っています。
【岩手の女性にメッセージを】
「地域をつなげ、笑顔をつなげる」を目指して、私ができること、あなたができること、を家族食堂を通して考えるきっかけとして頂けたら嬉しいです。
食堂自体は誰かに頼まれて始めるものでもなければ、行政に頼まれて始めるものでもありません。気負うことなく、だれがやってもいいし、だれが行っ
てもいい。
どこではじめてもいいし、どんな形だっていい。おいしくて、たのしくて、いつもだれかがそこにいて、不思議と元気になれる、そんな居場所があっちにもこっちにもできたら、未来はもっとステキになると思います。
お近くにお越しの際はぜひのぞいてみてください♪
開催中の子供食堂などについては以下のリンクからご覧ください。
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