5分で前向き!リフレッシュ!ChallengeWomanの背中を押す絵本 

5分で前向き!リフレッシュ!

~ChallengeWomanの背中を押す絵本~

いまだ終わりのみえない新型コロナウィルスや世界のどこかで起こる争い。

そんな中でも、私たちは一日一日と人生を積み重ねています。

だったら、先の見えない不安に負けず、夢を持ち、夢をかなえていきたいですよね!

負けない!あきらめない!チャレンジを続ける皆さんに、絵本専門士ふじむらゆきこが

絵本を使ってパワーチャージする方法をお伝えします。

☆ふじむらゆきこさんについて・・・Special Skill Womanページでご紹介しています

Special Skill Woman のページはこちら👆

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 

今月の1冊~

〇○の力を呼び込んでみる

『野の花えほん 秋と冬の花』

前回は、不要なものを捨てて心もスッキリ!というテーマで絵本を紹介しましたが、みなさんのお家はすっきり片付きましたでしょうか。

今月のパワーチャージは、片付いたお部屋でぜひやっていただきたいこと。

そう、「お花を飾る」ことです!

花風水なるジャンルもあるそうですが、開運なんちゃらを知らなくても、花には心をほぐしたり元気にしたりする力があるなあと感じます。

色や香りや形から受け取る癒し。花開くまでの課程を人生と重ねて受け取るやる気。

家のそこここに花を飾っておくと、ふと目に入った瞬間にお花から力をもらえますね。

とはいえ、花を絶やさないために毎回買うのはちょっと大変。

そんな時は、散歩をしながら摘み取った野の花を小さな器に活けるのがおすすめです。

今回ご紹介するのは、野の花を丁寧に解説した「図鑑絵本」です。

掲載された野の花は実に148種類!名前の由来や見分け方はもちろんですが、染物や織物などの活用法、遊び方や食べ方(!)までお花にまつわる様々な知識が得られます。

繊細でいて温もりを感じる植物画は、水彩画に色鉛筆で重ね塗りをするという丁寧な工程で描かれており、何度でも読み返したくなる愛らしさ。この絵本を読むと、昔の人がいかに植物から恵みを受けたかがわかり、道端の雑草も愛おしく思えてしまいます。

ドラマでも映画でも、そして絵本でも、主人公の部屋にお花が飾ってあれば「主人公が日々の暮らしを楽しんでいる」ことを暗に示します。

お花を愛でたり、「花を飾る自分ってちょっといい感じ」と悦に入ったりと、毎日の中にちょっといい時間がたくさん生まれる花との暮らし、ぜひ実践してみてくださいね。

*おまけ*

https://www.youtube.com/watch?v=iMGAlWbgv2k

作者 前田さんの絵本制作風景が見られます。

デスクには和の器に無造作に活けた野の花が!お手本です♡

『野の花えほん 秋と冬の花』

前田まゆみ作

2010年 / あすなろ書房


 

今月の1冊~

思い切って〇ててみる!

『それなら いい いえ ありますよ』

コロナ禍の初期、自粛ムードで全国的に流行ったのが「おうちの断捨離」。

大掃除に取り組んだり、リサイクルショップやフリマアプリで不用品を売ったりするご家庭の様子はテレビ番組でも多々特集されていましたね。

その中でよく耳にしたのが「ものを捨てると気持ちまでスッキリ」というフレーズ。

理由は、自分にとって必要なものと不要なものを選別することで、心の迷いにも区切りをつけやすくなる。捨てる際に、その「もの」にまつわる自分の執着も手放すことができる。片付いてきれいな空間を目にすることで心の乱れも整ったように感じる等々。

確かにその通り!だとわかっていても、私の場合、一大決心をしてスイッチを入れないと重い腰があがりません(反省)すると、気持ちもモヤモヤ、部屋もごちゃごちゃ(涙)

そこで、今回ご紹介するのは、スイッチを入れるきっかけになりそうな絵本です。

時代は江戸~大正あたり?主人公は片付けの嫌いな「ぎんた」。ある日、散らかり放題の部屋にやってきた野良猫「ちゃまる」が、クマからお化けまで誰にでも要望にぴったりの住みかを紹介する部屋探しの名人と知り、ぎんたは「片付いてきれいな家」をリクエストします。

さて、望み通りの物件を探してもらえるのでしょうか?

絵本を開いてまず驚くのは、ぎんたの部屋の散らかりっぷり!!

おもちゃや食べ物、雑誌に雑貨、ありとあらゆるものが細かく描きこまれているんです。

この絵を見るだけで、「あ、我が家も片づけよう」と思ってしまうくらい圧倒的!

きっと作者も楽しんで描いただろうイラストは、コミカルですがしっかりと実物を調べて描かれており信頼できます。さらに、遊び心満載なので、隅から隅まで絵を見ると「こんな所にこんなものが!」と楽しめますよ。

物語の終盤に「ごみを捨てる、出したものをしまう」場面があるのですが、部屋の片付けも心の整理もこの二つに尽きるのね、と納得。

ものと違って感情を捨てるって難しいので、捨てきれなくても良しとして、まずは片づけを頑張れた自分をほめてあげましょう♪

きれいになった部屋、お気に入りのカップに美味しいコーヒー。

せっかくだからお花も飾りたくなったりして。

ほら、何だかいいコトありそうです。

『それなら いい いえ ありますよ』

澤野秋文 作

2013年 / 講談社

 


 

今月の1冊~

〇○をだまして幸福感を作り出す!

『よじはん よじはん』

18世紀フランスの哲学者アランという方がこんな言葉を残しているそうです。

「人間は幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ」

実際、笑うと「NK細胞が活発化し免疫力があがる」「ストレスが軽減される」「脳のパフォーマンスがよくなる」などの効果が出ることが、医学的な研究でわかっています。

しかも、割り箸を口にくわえる=口を横に開き口角をあげるという「作り笑い」でも、神経の活性化がみられ、「快」の感情が引き起こされるというからびっくりです。

このような脳の錯覚は、恋愛の話でいう「吊り橋効果」でも有名ですよね。恐怖のドキドキと恋のドキドキを脳が混同してしまい、一緒に吊り橋を渡った人に好感をもってしまうというアレです。

 そう、「脳はだませる。」ならば、だましたもん勝ちです。

何でもない時でも、悲しいときでも顔だけは笑ってみませんか?

「笑活」におススメの絵本はたくさんありますが、元気が出ない時は、笑かす気満々のユーモア絵本より思わず笑みがこぼれてしまう韓国発のほっこり絵本はどうでしょう。

 まだ庶民の家には時計がなかった時代、お隣のよろず屋さんに時間を聞いてくるよう頼まれた女の子が主人公。お店のおじさんから「よじはん」と教えてもらい、帰り道につくのですが、女の子の前には様々な「寄り道トラップ」があらわれるのです。

 女の子がトラップにひっかかるたびに、「くすっ」。

やっと家についたラストシーンのオチに、「あはっ」。

おでこが広くてしもぶくれの愛嬌ある女の子の様子と、懐かしさを感じさせる夏の夕暮れの風景、「16:30」が永遠に続くようなゆったりした時の流れが心和やかになること間違いなしです。

とはいえ、笑う気分になれない時は、せめて「い」の口で気持ちを声に出してみてはどうでしょう。

「わたしは悪くないーー」「たまには休みたいーー」「幸せになりたいーー」などなど。

ストレスを発散しつつ「い」の口の形をキープして脳をだませれば、きっと少しずつ気持ちが上向きに!

 ストレス社会の今、心を上手にコントロールする能力は誰にも必要です。

費用0円で始められる「笑う」セルフケア、絵本をお供にぜひ始めてくださいね!

『よじはん よじはん』

ユン ソクチュン 文

イ ヨンギョン 絵

かみや にじ 訳

2007年 / 福音館書店


今月の1冊~

〇〇を出してストレスをやわらげ幸せ顔に!

『はぐ』

梅雨が近づいてきました。

この時期は私たちの体にも湿気がこもり、だるさや疲れを感じやすくなるのだとか。

体と心はつながっているので、体の調子が悪いと心の調子もネガティブに傾きがちです。

その心の調子を整えるカギとなるのが「オキシトシン」というホルモン。

幸せ三大ホルモンの一つといわれ、このホルモンが分泌されると自律神経のバランスが整い、不安な気持ちやストレスが緩和されるといわれています。さらに他の二つの幸せホルモン(ドーパミン、セロトニン)の分泌にも関わる重要なホルモン!

気になる気になる、どうしたらオキシトシンが出るの?と前のめりのあなた、
実は方法は様々あるのですが、おすすめの行動は、ずばり「ハグ」

人や動物と触れ合うことで分泌されるのだそうです。触覚への刺激ですね。

一人暮らしだしペットも飼ってません(涙)という人は「肌触りのよいもの」を優しくさわる、自分の体を優しくマッサージすることでも効果があるそうですのでぜひお試しを。

そして、そんな♪ホルモンタイム♪のお供にしたいのがこの絵本。

可愛らしいイラストで、動物や人間、タコやワニ、様々な生き物が「会いたかったよ~」と次々に駆け寄りハグをしていきます。

単純で、だからこそ深く考えずに子どもの心で笑えて、、、。

ハグをしている時の満たされた表情に、自分もハグをしているような気持になれて、、、。

短い絵本ですが、これでオキシトシンを分泌する環境を整えてくれますよ!

私はこの絵本を読んだだけでオキシトシンが出ます。(個人の感想です。)

絵本のように、「会いたかったよ~」と駆け寄ってハグができる社会に戻るまであと一息のところに来ている私たち。

久々にマスクをとって見せる顔が柔らかで明るい笑顔であるよう、ホルモンを味方に梅雨時を乗り切りましょうね!

 

『はぐ』

佐々木マキ作

2011年 / 福音館書店


 

今月の1冊~

読みながら〇〇をして気持ちをリセットできる絵本

『あおのじかん』

 

新年度が始まり一か月。

これまでと生活が変わった人も去年と変わらない人も、連休で気が緩んだあとはちょっとした疲れが出やすい時期ですね。

5月病ともいわれる心身の不調は早めに対処するのが一番!

方法は様々ですが、どこでも・いつでも・無料で!簡単に出来るのが、

「深い呼吸」

実は私も昨年から自分の身体を見直しているのですが、ヨガ、ストレッチ、ツボ、筋トレ、、

すべて行きつくのが「姿勢と呼吸」だと感じているところ。

そんな深呼吸のおともにおすすめなのがこの絵本です。

日が暮れて夜が来るまでのひと時、ページをめくるごとに青から藍へと濃度を増していく空と、青い色の鳥や動物、植物が描かれた美しい一冊なんです。

青は心を鎮める色といわれる通り、読み終わる頃には心が少し落ち着くはず。

ちょっと疲れたなと思った時は、この本を読んで青の余韻にひたりながらリセット深呼吸をしてみましょう!

①まずは疲れの原因を探って、ジャッジせずに受け止める

②背筋を伸ばして疲れの原因と心のモヤモヤを吐き出すイメージで深く息を吐く(8秒)

③新しいエネルギーをもらうイメージで息を吸い込む(4秒)

個人的に、モヤモヤを吐き出す→まっさらなエネルギーを吸い込む、この順番がポイントだなと思ってます。

夜寝る前にリセットして休んだら、明日はきっと、いいことありますよ!

『あおのじかん』

イザベル・シムレール文・絵

石津ちひろ訳

2016年 / 岩波書店


 

 

今月の1冊~

○○を変えて音読すると100倍心にしみる絵本

 『たくさんのドア』

この絵本、本来は成長していく子どもに向けたもの。

「あなたは」という呼びかけで、未来(たくさんのドア)に期待をこめて励まし背中を押す言葉が続く心あたたまる絵本で、小学校を卒業する6年生に贈るメッセージとして使われることも多いんです。

私も、これは未来ある子どものためのものだと最近まで思っていたのですが、とても心が疲れて自信をなくしていたある日、この絵本を開いたときにふとひらめいたんです。

「あなた」という主語を「わたし」とか「ゆきこ(自分の名前)」に変えてみたら?と。

はたから見たらちょっと恥ずかしい?けれど、効果は抜群でした。

「アファメーション」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。“ポジティブな言葉で宣言することで自分自身を肯定していくセルフケア”なのですが、前向きであたたかな絵本のメッセージの主語を「わたし」に変えることで、このアファメーションができるんです!

さらに効果を高めるには、音読をすること。目で見るだけではなく、声に出し、その声を聞くことで、刺激される感覚が増してポジティブな言葉がどんどん浸透していきます。

読み終える頃には、

「今日が一番若い!」「まだまだ伸びしろがある!」「きっと大丈夫!」

そんな風に元気が出てくる絵本を使ったアファメーション、ぜひ試してみてほしいです★

『たくさんのドア』

アリソン・マギー 文

ユ・テウン 絵

なかがわちひろ訳

2018年 / 主婦の友社

 


 

今月の1冊~

幸せのカタチをくつがえす「主語を持つwoman」

『シンデレラ 自由をよぶひと』

河出書房新社絵本界では、誰もが知っている昔話をパロディ化したり主人公を変えたりして新しい話に仕立てあげる手法がしばしば使われます。有名なところだと、『桃太郎』や『三匹のこぶた』にはいろいろなバージョンがあるのですが、今月の1冊はシンデレラの新バージョン。

この本では、お姫様モノの定番「そして幸せに暮らしました。」の幸せのカタチがこれまでとは違っているのです!

私がこの新バージョンシンデレラを読んで皆さんとシェアしたいのはこの3つ

①誰か(何か)に刷り込まれた幸せがないか疑ってみよう 

②相手を縛っている価値観についても考えてみよう

③魔法使いは呼ばなきゃやってこない

この物語で嬉しかったのは、自由を手に入れたのがシンデレラだけではないこと!

王子様も意地悪な義理の姉たちも、刷り込まれた価値観を手放して自分らしい生き方をみつけ、いきいきと暮らすエンディングにはやさしさと救いがあります。おまけに、魔法で馬や御者になったネズミたちにも未来を選ぶ権利を与えられるんですよ。

さらに興味深いのが、挿絵。表紙を見てもわかる優美な影絵は、もともと古典のシンデレラ絵本に使われていた挿絵なんです。いわゆる「シンデレラストーリー」に使われていた絵が現代版ストーリーにもマッチするというのが不思議です。

幸運は待っていても来ないし、やってきた幸運が自分らしさにフィットするとも限りません。自分らしさを見つめ直して行動すれば、きっと誰でも「自由をよぶシンデレラ」になれるのかもしれません!

『シンデレラ 自由をよぶひと』

レベッカ・ソルニット 文

アーサー・ランサム 挿画

渡辺 葉 訳

渡辺由佳里 解説訳

2020年 /

 


 

今月の1冊~

世代から世代へ「時をかけるWoman」

『いつかあなたをわすれても』

 

アポトーシスという生物の現象があります。例えばおたまじゃくしのしっぽがなくなってカエルになるように、次の変化に備えて細胞を自死させること。私は常々、次の世代にあとを託して死んでいく人間の様子も、個人を超えた大きな集合体のアポトーシスみたいだなと感じています。

今月の1冊は、祖母-母-娘と続く物語の絵本です。

 

表紙の女の子、「わたし」はママと一緒にさとちゃんの家に通います。

さとちゃんは、「わたし」の祖母。、「わすれん坊」になってしまったおばあちゃんは、孫の「わたし」を自分の娘だと思い込み、本当の娘であるママのことは認識できません。

考え込んでしまう「わたし」に、全てを受け入れて別れの準備をするママが語る「女の子が女の人に成長し、やがて老いて死んでいくこと」への言葉が心に響きます。

 

私がこの絵本を読んで深く考えたのはこの三つ。

 

①母として娘へ何を語るのか、娘として母に何を聞いておくべきか。

②時には嫉妬を呼びおこす母と娘の微妙な関係

③忘れる事忘れられる事は、決して悲しいだけではない

 

 

直木賞作家の桜木紫乃さんが手掛けたこの物語は、自身が書いた認知症がテーマの小説「家族じまい」で描かれなかった部分を絵本化したもの。絵本として出版するために、長い文章を削って削って残った言葉はリアルで美しいものばかり。そこに、これから大人になる「わたし」、人生を終えるおばあちゃん、その間にいて両者を見守るママ、それぞれの微妙な感情を繊細にとらえた絵がマッチして短編映画を見たような余韻にひたれます。

 

手元に置いて、ライフステージが変わる毎に読み返したくなる一冊。

きっと年を重ねれば重ねるほど心にしみていくことでしょう。

 

 

 

『いつかあなたをわすれても』

桜木紫乃 文

オザワミカ 絵

集英社 / 2020年

 

 

 

今月の1冊~

夢見る自由と夢をかなえる自由を手に入れた「Mermaid Boy」

『ジュリアンはマーメイド』

明けましておめでとうございます!

今年も素敵な1冊をお届けしていきますね。どうぞよろしくお願いいたします!

さて、毎月「女の生き方」をテーマに絵本を紹介していますが、あえて「女の」と、性別を分けることに違和感を覚えていたのも事実で、その区切りが取れて男女問わず自分が自分らしく生きる世界になればいいなと思っています。

そこで新年最初は趣向を変えて、人魚に憧れる男の子のお話。

外出中にマーメイドのコスプレでパレードに出かけるお姉さんたちと出会った主人公のジュリアン。自分も人魚に憧れているジュリアンは、家に帰るとカーテンや切り花を使って人魚に変身します。(表紙の絵ですね!)うっとりポーズをとっているところをおばあちゃんに見られてしまい、我に返って落ち込んでしまうのですが、そんなジュリアンをおばあちゃんが外に連れ出します。何のために?向かった先は?

私が絵本を閉じてじーんとしたはこの二つ。

①夢は見るのも叶えるのも自由!

②かっこよく年をとるとは、精神の自由を手に入れること!

この絵本、何がいいって、絵の力で物語を進めるところ。

ジュリアンが人魚になった自分を想像する場面は絵から言葉や音楽があふれ出るような美しさで、私たちがかつて見ていた夢まで思い出させてくれます。

そして、ジュリアンのよき理解者であるおばあちゃんがまたかっこいい!年の重ね方って大事だなとつくづく思わされました。

「若い頃より世間の目を気にならないし、精神が自由になるのよ」

着たい服を着て食べたいものを食べる、人生の先輩がそう語っていましたが、そんな自由を手に入れたおばあちゃんって、他人の自由も尊重してくれるんですよね。

「本人がよければいいじゃないの。」とさらりと受け入れ応援してくれるおばあちゃん達が増えれば、ジュリアンのように秘めた夢を叶えられる人が増えるんじゃないかな。

とにかく気持ちがふわっと軽くなる絵本で、おしまいのおしまいに、自分たちも夢を叶えちゃっているおばあちゃんとその友達が描かれているのがまたキュート。

この本を読んで、心の奥にしまっていた「夢」を久しぶりに思い出してみませんか?

『ジュリアンはマーメイド』

 ジェシカ・ラブ 作

 横山和江 訳

サウザンブックス社 / 2020年

 


 

今月の1冊~

王子様を待たないプリンセス「Smiley Woman」

『王国のない王女のおはなし』

いろいろ大変だった2021年もあとわずかですね。

寒くはなるし、クリスマスも来るし。

ちょっとキラキラした気分でのぞいてみたい「オンナの生き方」は王女様が主人公です。

タイトル通り、このプリンセス(本名です)には王国=定住地がありません。

一頭の馬とともに荷車をひいて回り、荷物配達で日銭を稼ぎながら自分の王国を探して旅しているのです。日銭を稼ぐプリンセスって初めて聞きますよね!

とはいえ、さすがプリンセス。

行儀がよく美しい彼女は、舞踏会に出ると“つぎはぎ”のドレスを着ていたって王子たちが争って求婚します。金持ちの王子や王を結婚相手に選べば、彼女は探していた王国を手に入れ、そこで何不自由なく幸せに暮らせるはず。

さあ、彼女が結婚相手に選んだのは?そして彼女が選んだライフスタイルとは??

自分の王国が欲しいのは現代の私たちも変わりません。例えば、家族だったりマイホームだったり起業した会社だったり・・。

なかには、そんな王国を手に入れる「手段」として結婚を使う女性もいますよね。

でも、それでは自分らしさが消えてしまうように思います。

私が「プリンセス流幸せのつかみ方」で大事だなと感じたのはこの二つ。

(幸せはお金じゃ買えないっていうのは言うまでもないことなので省略です!)

①相手の持ち物ではなく相手の振舞いをみること

②自分の理想に執着しすぎないこと

お金はなくても品はよく、そして心を柔軟にしておくと幸せの選択肢が広がるんだな、と考えさせられたこの物語をさらに盛り上げているのがイラストの美しさ!

あちこちに細かな装飾が散りばめられていて、随所に影絵をはさんで、大人カワイイ雰囲満点です。

今年もコロナで我慢の多かった1年でしたが、終わりくらいは、カワイく美しくしなやかなプリンセスの絵本でときめいてはいかがでしょうか。

『王国のない王女のおはなし』

アーシュラ・ジョーンズ 文

サラ・ギブ 絵

石井睦美 訳

BL出版 / 2014年

 


 

 

今月の1冊

ピンチを楽しみ夫を支える!「Happy Woman」

 

『ごきげんなライオン  おくさんにんきものになる』

     

絵本の世界では、しばしば擬人化された動物が登場します。今月紹介するのは「ごきげんなライオン夫婦」のお話。パートナーシップの見本をみせてくれますよ!

動物園で暮らすライオン夫婦は、気が優しくてほかの動物たちからも好かれる人気者ですが、ある日ライオンの旦那さんがケガをして病院に運ばれてしまいます。

お客さんはオスライオン目当てでメスライオンの前には立ち止まりません。

「あらあら、たてがみがないとライオンじゃないってわけ?」

残された奥さんは、お客さんを喜ばせようとみんなの手を借りて大変身をするのです。

さあ、お客さんの反応は?そしてライオンの旦那様の反応は?

私がこの絵本を読んで痛感したのはこの二つ。

①ピンチのときこそ面白がってみる

②愛とは相手を尊重すること

トラブルがあっても「まったくもう、おかしいわね」と笑ってから自分にできることを考えてみたら、卑屈にならずに前に進めそうですよね。

そして、このライオン夫婦がみせる、お互いがお互いを尊重することの大切さ!

旦那さんは一躍人気者になった奥さんを喜び、奥さんの気持ちを優先しようとします。

一方、奥さんは戻ってきた旦那さんに人気者の立場を返し、いつもの私に戻るのです。

先月の巻でもふれた「承認欲求」。もしこれが強い女性だったら、一度得た評価に執着してしまい、夫婦でいがみあってしまったかもしれませんね!

どんな自分でいることが心地いいのか、相手はどんな状況なら心地いいのか、「二人のベスト」を考える姿勢は、おそらく作者であるご夫妻の姿そのもの。

実は、旦那様のロジャーさんはこの絵本の出版後にお亡くなりになり、夫妻の共同作品はこの絵本が最後なんです。

ご夫妻の愛情がたっぷりつまったこの絵本から、人生との向き合い方、パートナーとの向き合い方を学んでみてはいかがでしょうか?

『ごきげんなライオン

   おくさん にんきものになる』

 ルイーズ・ファティオ文

 ロジャー・デュボアザン 絵

 今江祥智・遠藤育枝訳

BL出版 / 2013年


今月の1冊

自分の機嫌は自分でとる!「満たされWoman」

『エマおばあちゃん』

「独居老人」・・・

字面だけ見ても声に出してもなんだか寂しいイメージが浮かびますよね。

この絵本の主人公は、そんなイメージをくつがえした72歳のエマさんです。

エマさんは最初からハッピーなおばあちゃんだったわけではありません。

話し相手はしましまの猫。日がな一日、景色を眺めたり故郷を思い出したりしながら過ごす「かわいそうなおばあちゃん」でし  た。離れて暮らす子供や孫に会うのが楽しみで豪華におもてなしをするのですが、数時間で一人ぼっちに戻ってしまうのです。

 

そんなある日、お祝いに贈られた「故郷の絵」に違和感をもったエマさんは一大決心。

絵具と筆とイーゼルを買って自分が覚えている故郷を自分で描き始めたのです。

 この絵本を読んで納得したのはこの二つ

①空白の心を満たすのは他人の承認ではなく自分の承認

②幸せの種はどこか遠くではなくこれまでの道のりにこぼれている

SNSの定着で聞かれるようになった「承認欲求」という言葉。他人によく思われたい、認められたいという思いはきっと誰にでもあると思います。

エマさんもそう。たまに会う子供や孫に喜んでもらいたい、料理やもてなしをほめられたい・・という思いは、「誰かのため」のようでいて「誰かからの承認のため」ともいえます。

でも、絵を描くという生きがいを見つけたエマさんに、「誰か」の承認は必要なくなるのです。

また、エマさんが描くのは故郷の村や好きな景色など自分の大好きなものばかり。

日常の小さな幸せや思い出を可視化していくことで自分の人生を肯定する方法は、落ち込んだり自信がなくなったりした時、参考にしたいもの。

 

余談ですが、この絵本の原題は「EMMA」。

日本語訳する際に「おばあちゃん」という単語が付け足されたようですが、原題の方が、年齢は関係なく「エマ」という一人の人間として立つことの大切さを強く伝えているかもしれません。

希望が持てるストーリーと明るくおだやかな色彩の絵が、じんわりと心にしみる絵本。

いくつになっても輝きたい女性へのギフトにもおススメです!

 

『エマおばあちゃん』

ウェンディ・ケッセルマン 文

バーバラ・クーニー 絵

もきかずこ 訳

徳間書店 / 1998年


今月の一冊
人知れず美しく生きる「野の花Woman」 

『ハルばあちゃんの手』

「ほくろのある手=器用で幸せになる手」をもって生まれたハル。

その通りの器用な手で家族を支えて謙虚に懸命に過ごしたその一生を、手にフォーカスして描いた絵本です。

1930年に生まれたハルさんの人生は華やかではありません。

ぷっくりすべすべしていた手は、終戦後、15歳で弟妹と祖母を養うために、そして結婚後はケーキ屋の夫を支えるために休まず働き続けて年月を重ねます。

絵を描いたのは「鉛筆画の鬼才」といわれる画家の木下晋さん。細かな線で陰影を作り出し、

シンプルな文章の奥にあるハルさんの人生を物語ります。

私が改めて感じたのはこの二つ。

①人生を語る手はしわまで美しい。

②派手さや映えに惑わされず、当たり前の生活に敬意を。

映画でもドラマでも、波乱万丈な生き方だったり、難しいプロジェクトを実現させたりと、目立つ人って物語になりやすいですが、一方で、毎日を実直に生きる人々の暮らしを描く作品は「珠玉」とよばれて強く深い印象を残すもの。この絵本もまさにそんな珠玉の作品です。

そしてきっと、日本中にハルさんのような女性がいて、戦後の日本を支えてきたんだろうし、今だって全国のハルさんが日々を生きている。注目を浴びることはないけれど、家族や仕事を愛した「人生の時間」を「しわ」として刻んでいく女性たちを思うとき、そのしわは確かに美しく、自分もそんな風に美しく生きたいと願わずにはいられません。

天国の夫に「幸せだったよ」と語りかけるハルさんを見送って絵本を閉じたら、もう一度表紙を眺めてください。

幸せの証として描かれる、その「手」の美しさを感じてほしいなと思います。

 

 

 

『ハルばあちゃんの手』

山中 恒 文 / 木下 晋 絵

福音館書店 / 2005年

 


今月の一冊

行動で人を納得させる「肝っ玉Woman」

『しげるのかあちゃん』

タイトルだけから想像した「かあちゃん」と、表紙に描かれた「かあちゃん」にどのくらいのギャップがありましたか?

昭和から続く世間一般の母親像を見事に裏切る「しげるのかあちゃん」。

見た目はギャルママ(死語?)で、2トントラックの運転手。さらにこの母ちゃん、いろんな工具を使いこなしてトラブルを解決し、人を助けるスーパー母ちゃんなんです。勢いのある筆遣いで描かれた絵が、型破り感を印象づけていますよね。

見た目や職業で人を判断する傾向の方、世の中にはまだまだいます。いますいます。

きっと、しげるの母ちゃんを噂話のネタにする「ママ」達がいるんだろうなって想像できます。でも、そういう人に限って、ボヤ騒ぎが起こっても何も行動できず、PTAの草取りはあれこれ理由をつけて不参加だったりして。(個人の感想です)

 

私がこの母ちゃんを見てしみじみ思ったのは、この二つ。

①身なりや言葉遣いではなく、行動から本当の姿がわかる

②道具を使いこなすことで自分の可能性はぐんと広がる

身なりや言葉遣いもその人を表すけれど、実はメッキという人だっています。トラブルが起こった時、面倒な作業をする時に注目!メッキは簡単にはがれるかも。

さらに絵本をよく見ると、お出かけは市民プール、服はお気に入り一択など、しげるの家の経済状態がわかります。そんな生活の中で、母ちゃんは稼げる仕事を選び、バリカンからインパクトドライバーまで、道具を使ってセルフでこなし節約も人助けもする。

他人に甘えたり有料サービスで解決しようとする人たちに、道具を使えば、ほら簡単だよ!と教えているようです。

しげるはもちろん、しげるの友達が「しげるのかあちゃん、かっこいい」となるのは当然かもしれません。子どもの目はごまかせないですから!

うーん、自分、弱いなあ、甘いなあと思ってしまった私。

しげるのかあちゃんと並んで立てるくらい、自分に堂々と生きたいですね!

 

『しげるのかあちゃん』

城ノ内まつこ 作 / 大畑いくの 絵

岩崎書店 / 2012年

 

 


 

 

今月の1冊~

迷った時のガイド役「あなたの中にもいるLittle Woman」

『あかがいちばん』

 

キラキラWomanものがたり、

これまで3回は、歴史に名を残した女性の絵本を紹介してきましたが、「偉い人はやっぱ違うよね」「それが出来たら苦労しないよ」で終わってしまう方もいらしたのでは??

今月はガラリと趣向を変えて「子ども」から学べることを。

主人公の女の子「わたし」は3、4歳でしょうか。洋服からお絵描きまで赤い色が大好きで、何があっても「赤」を選びます。お母さんは、もっともな理由をつけて~例えば、その上着では寒いのよとか、その服にはこの色のピンが似合うのよとか~違う色のものを使うように言うのですが、「わたし」は納得しません。だって、「わたし」には赤を選ぶ理由がちゃんとあるんです・・

 

いつもなら、「言うことをきかない子どもの気持ちを理解できますよ~」と、保護者の方に勧めることの多い絵本。自己啓発的なメッセージなどはないのですが、この絵本を大人向けに読み解くとこんな学びが浮かび上がります。

①「好きなもの」は自分軸をつくる魔法のアイテム

②「好きなもの」を「好き」とはっきり言えることの大切さ

 「三つ子の魂百まで」ということわざがありますが、私たちが、「本能で」とか「直観的に」好き、嫌い、心地いい、なんか変・・・と様々に感じることって、子どもの時の感覚とつながっているように思いませんか?その頃から変らない部分がきっと「自分の軸」。

 

ところが、大人になるにつれて、空気を読んだキャラ設定や忖度、建前で行動するようになり、本当の自分がわからなくなることも。そうなると、誰かの言いなりで生きたり、他人と比べて落ち込んだり、何かに依存したりしてしまいがちです。

そこまでいかなくとも、自分を抑えてストレスを感じている人、きっと多いですよね。

そんな自分を立て直したかったら、この絵本を真似て、「わたしは〇〇が好き。こんな気持ちになれるから」と書いたり声に出したりする事をおススメ。そして、その気持ちが記憶にないくらい幼い頃の自分とつながっていることを意識すると、不思議と笑顔になれて「こんな人生もアリだな」と思えてきます。さらに、「今もやっぱり好き」「いちばん好き」と思えるものは「やっぱり」「いちばん」の言葉の裏にある、「いろいろあったけど、だけど」という経験があるからこそなので、大事にしたいところ。

 

新しい自分への第一歩は、この絵本の「わたし」のように堂々と「好き」を宣言するところから。もしかしたら、あなただけの絵本が出来上がるかもしれませんね!

『あかがいちばん』

キャシー・スティンスン 文

ロビン・ベアード・ルイス 絵

ふしみ みさを 訳

ほるぷ出版 / 2017年(新装改訂版)

 


今月の1冊~

私らしさをつらぬいた「はじめてWoman」

『せかいでさいしょにズボンをはいた女の子』

明るい色とコラージュが楽しく、イラストもキュートで魅力的。文章も読みやすいのですがテーマは硬派で大人にこそ読んでもらいたい絵本です。

お話は日本だと江戸時代の終わり、1830年~1840年代のアメリカが舞台です。

当時の女性は着るものから振舞いまですべて「女性はこうあるべき」という価値観に支配されていました。

そんな古くからの慣習にとらわれなかったのが小学生のメアリー!
窮屈なコルセットやスカートでは自分の思うままに動くことができません。そこで思いついたのは「女性らしい服」ではなく「私らしい服」を着ること。

当然ながら、ズボンをはいた女の子は周囲の大人たちから大ブーイング。さすがのメアリーも落ち込んでしまうのですが・・

私がこの絵本から学んだのは、現代の問題ともぴたりと重なるこの二つ。

①反対理由「それが常識だから」は、理由になってない!(から気にしなくよい!)

②拒否反応を示す人はいつも当事者ではない!

メアリーのよき理解者であるお父さんの一言

「にんげんって、あたりまえだとおもっていたことが かわってしまうのがこわいんだよ」

ぐっと刺さるこの言葉は私たちみんなが肝に銘じたいもの。

いま私たちが当たり前のようにパンツスタイルを楽しめていることからも、メアリーの挑戦の結果はわかりますよね!しかし、絵本としてはハッピーエンドなのですが、コラムを書くにあたって軽く調べただけで、根強い偏見の壁にぶち当たってしまいました。

気になった方だけご覧ください。

ウィキペディア「メアリー・エドワーズ・ウォーカー」

彼女は男の服を着たのではなく「私らしい服を着た」と言い続けたのに、違和感のある書かれ方。もし悪意がないのであれば、それこそ無意識にすりこまれているバイアスの手ごわさを感じます。

まだまだ世の中には簡単に乗り越えられない壁がある。そんな風にがっかりした時はこの絵本のプロモーション動画が元気をくれますよ。

https://www.youtube.com/watch?v=f1aPlHIVZcs

この動画のメアリーのように、笑って前進あるのみ!

『せかいではじめてズボンをはいた女の子』

キース・ネグレー 作 / 石井睦美 訳

光村教育図書 / 2021年


今月の1冊

差別を知性で乗り越えためげないWoman

『大統領を動かした女性ルース・ギンズバーグ

男女差別とたたかう最高裁判事』

 

タイトルがおかたくて、「やたら立派な人の話は参考にならん」と思ってしまうでしょうか。

でも、立派なだけでは大衆の心を動かせません。弱い者の味方に立って判決を下し、権力にもはっきりとNOが言える。「トランプ大統領が当選したらニュージーランドに移住するわ」なんて毒舌も。だから、ケネディ元大統領がJFKと呼ばれるようにルースさんはRBGと愛称で親しまれ、昨年87歳で亡くなった際は連邦議会議事堂に遺体を安置され、多くの市民がお別れに訪れたそうです。この特例措置は公職女性として、そしてユダヤ系アメリカ人としても初のケースだったのです。

もし絵本を手に取る機会があったら、絵本を開いたまま裏返し、表紙と裏表紙が一続きの絵になっていることに注目してみて!正義の天秤のちょっとした皮肉が描かれています。

さて、この本を読んで私が注目したのは3つの点。

  • 女性差別だけでなく、人種差別や子持ちが理由の就職差別も受けてきたこと。
  • 自分のストロングポイントがわかっていて、出世を目指すのではなく、その強みを発揮できる場所で力を尽くしたこと。
  • 家庭と育児と仕事、全てを手に入れてどれも犠牲にしなかったこと。

自分の受けた差別を社会の問題として共感し、この道がだめなら別の道と柔軟に生きる、何より一人の人間として家庭を大切にする・・女性ならではの感性と鋭い知性が同居するルースの生き方は時代が変わっても一つのお手本かもしれません。

絵本は、裁判官という彼女の職業になぞらえて法廷で彼女の人生を審議する構成。「証拠」という形で数々の被差別経験が語られて映画のようです。陪審員は読者の皆さん。

もちろん、判決は・・〇〇・・ですよね!

『大統領を動かした女性 ルース・ギンズバーグ

男女差別とたたかう最高裁判事』

ジョナ・ウィンター 著 ステイシー・イナースト 絵

渋谷弘子訳 汐文社 / 2018年


今月の1冊~

「好き」をあきらめないはじめてWoman

『炎をきりさく風になって

 ~ボストンマラソンをはじめてはしった女性ランナー』

 

1966年、女性の参加がNGだったボストンマラソンに、ノーゼッケン(未登録)で出場し、見事完走した23歳のボビー・ギブ。

今はあたりまえの女子マラソン、選手も市民ランナーも増えていますが、彼女こそ歴史を塗り替えて後に続く女性たちに道を拓いた★はじめてWoman★なんです!

 

当時のアメリカは、女性の自由や権利を求めるウーマンリブ活動が盛んな一方で、女性に対する偏見、女性の能力に対する誤解は根強いもの。

ボビーがボストンマラソン参加を拒否された理由は、「女性は長距離を走れない」「けがの危険がある」というものでしたが、ドラマ「奥様は魔女」のように、郊外の一軒家でワンピースにエプロン姿でお料理や掃除、お裁縫にいそしむ女性が一つの理想像だったのかも。

(走るなんて女らしくない)(ルールはルール、変える必要なし)という裏の声があったのでしょうね。ボビーの自宅外観を描いた一場面がそれを暗示しています。

 

さて、それでもあきらめなかったボビーは、男性に扮し、こっそりとスタート地点に忍び込みます。ルールを破ることへの抵抗やばれた時の不安・・ネガティブな気持ちはありながら、それでも自分の「好き」を信じ、走りたいという情熱を消さず、そして自分の力を証明してみせるという強い気持ちからボビーは走り出します。

 

意外なことに、参加者の男性達はボビーを仲間と認めて受け入れ、沿道からも大声援!!現場と会議室はやっぱり違うんですよね。

500人中126位というボビーの激走はメディアにもとりあげられ、翌年以降女性の参加者が急増。その後1972年にはボストンマラソンへの女子選手参加が正式に認められ、1984年ロス五輪から女子マラソン種目が加わる・・と流れが続いていくのです。

 

女性だからやらない、規則だからあきらめる・・

言われたことを守るように教育されてきた私たちですが、本当に好きな事ややりたい事があったら、一度常識を疑ってみてもいいのかも。

だって、絵本の中のボビーはとても柔らかでしなやかで輝いているんですもの!

 

『炎をきりさく風になって

~ボストンマラソンをはじめてはしった女性ランナー』

フランシス・ポレッティとクリスティーナ・イー 文

スザンナ・チャップマン 絵 渋谷弘子 訳

汐文社 / 2018年

 


2021年3月
今月の1冊

『ディアガール おんなのこたちへ』

エイミー・クラウス・ローゼンタール

パリス・ローゼンタール       文

ホリー・ハタム 絵

高橋久美子 訳

主婦の友社 / 2019年

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森会長が、その発言により辞職に追い込まれたのはつい最近のこと。

「しょせん女は・・」という偏見がいまだに残っているのは驚くことではなかったけれど、世の中がそれを見逃さなかったことに驚き、時代の変化を実感してます。

そして、私自身が古い価値観に縛られていることもあるな、、と自分の考えを点検するようになりました。

今月の一冊はその中で出会った絵本です。

自由に発言していいこと、(まさに会議でわきまえないように!)

他人の目を気にせずに好きなものを選んでいいこと、

仲間を持ち、タイプの違う人とも話し合うこと・・・

布や写真をコラージュした親しみやすいイラストとともに、「おんなのこたちへ」という呼びかけではじまるたくさんのメッセージは、実は女の子に限らず、全ての人にあてはまる。さらに言えば、かつて「女の子」だった私たち大人にも!

日本語版は未出版ですが、同シリーズに「DEAR BOYS」があります。ちらっと見てみましたが、イラストが男の子になっているだけで、そのメッセージはやはり女の子にだってあてはまるもの。

だから、2冊合わせて

「女の子も男の子も関係なく、自分を生きよう!」とおススメしたいです。

このWomanGardenに登場するキラキラ★womanの皆さんをみても、女性の少ない分野で奮闘している方から、女性が活躍する業界で個性を生かしている方まで様々ですが、自分の感性を信じて努力を重ねていることが共通点だと思います。

これからは、性別を超えた「人」としてお互いがお互いを認められる社会にしていきたいですね。


2021年2月
今月の1冊

 

『おくりものはナンニモナイ』

パトリック・マクドネル 作

谷川俊太郎 訳

あすなろ書房 / 2005年

 

仕事を終えて買い物に出ると

スーパーも100均も

バレンタインコーナー特設中。

コロナ禍のこんな時だからこそ

そばにいてくれる身近な人達に

感謝を伝える機会にできそうですね。

 

今月の1冊は

恋人に友人に家族に、

大切な気持ちが伝わる

“贈られて嬉しい絵本“です。

 

まずこの本、仕様が好みで。

両手に少し余るほどのサイズ感といい、

マットな質感で

ざらっとした手触りの表紙カバーといい、

絶妙なセンスです。

NYの粋ってヤツなんでしょうか。

 

仕様が粋なら

ペンでさらさらっと描かれた絵も

添えられた谷川さんの言葉も粋で、

それはもう、極上のシンプル。

でもそこには恐らく

緻密な計算があるんですね。

単純とシンプルは似て非なり、です。

 

表紙に描かれている

赤いお鼻の黒犬ムーチが主人公。

大好きな犬のアール、

何でも持っている犬のアールに

何を贈れば喜んでもらえるのか、

悩み考え抜いたムーチの結論は

「ナンニモナイ!!」

 

いったいどういうこと?

と思いつつページをめくると・・

飼い主の行動や発言に身をつまされ、

「ナンニモナイ」の中身がわかった時は

きゅんとして。

最後は見開きいっぱいのイラストを

しみじみ味わいました。

 

巣ごもり状態からの、

気がつけばポチポチショッピング\

という方にも読んでほしい、

心あたたまる絵本です。

☆大人には洋書版がさらにオシャレ!


2021年1月
今月の1冊

 

『ちいさいおうち』

バージニア・リー・バートン 作

岩波書店 /1965年

 

 

新年が明けました!

日付が変わっただけ、といえばそれまでですが・・

初日、初夢、初〇〇と、初をつけるだけで、何やらまっさらな感じがしますし、

個人個人も新年を機に「今年こそは!」と仕切り直しをする。

すでに三日坊主で終わっていたとしても、春節や年度替わりなど、リスタートの機会は盛りだくさんだから大丈夫(笑)

人間、節目を作るって大事なんですよね!

 

そんな節目の折々に読みたい今月の1冊。

絵本界では“不朽の名作”として知られるこの本、私が紹介するまでもないのですが

新年ですので、姿勢よくいってみます!

 

アメリカで出版されたのは1954年、自然豊かな丘の上に立つ一軒家が主人公です。

「ちいさいおうち」は住人の成長や四季の移ろいを楽しみながら年月を過ごしますが、

やがて都市開発に巻き込まれ、周りの環境がどんどん変化していきいます。

でも、家は自ら動くことができません。

 

鳥の声の代わりに車や電車の騒音が響き、

木々の代わりに灰色の建物が立ち並び、

そこに住む人がいなくなっても、

「ちいさいおうち」はそこにずっと建ち続けます・・・

 

出版から60年以上が経っているにもかかわらず、今の私たちにも十分に問題提起となるテーマで、読むたびに「幸せ」「豊かさ」について考えさせられる大切な本。

しかも、文字を読めない子どもでも絵を追っていくだけで話の流れがわかるばかりか、

「おうちが泣いてるよ」

「おうちがまたニコニコしてるよ」

と、メッセージもしっかり届いている。

美術のほかダンスにも打ち込んだ作者の絵本は、絵も文字の置き方も、流線的で躍動的。

テーマ、文章、絵のすべてに力がある絵本、なんです。

 

問題提起はしっかりとするけれど、ハッピーに読める「ちいさいおうち」。

ルーティンに流されていく生活に一区切りつけたいとき、豊かさの意味を見失わないように、自分の節目としてぜひ開いてほしいと思います。

 


 

2020年12月
今月の1冊

『ボクはしっている』

神山ますみ 作

イマジネイション・プラス / 2020年

間違いなく後代の歴史の教科書に載るであろう2020年という年。

「あたりまえ」の有難さ。

「行き過ぎた正義」の顛末。

「変化」への対応力。

様々な問題をつきつけられ、でも結局大事なのは「思いやり」と「前向きさ」なのかな、と思う師走です。

 さて、12月の1冊なら、やっぱりクリスマスよね・・と、絵本を探すのですが、これがたくさんあり過ぎて!大人女子向けには、キラキラと美しい本か、じーんとする物語かと悩みながら最終的に選んだのは、うんとシンプルなこの1冊です。

小さめの本を開くと、モノクロの銅版画に、「ボク」の心の声が1、2行ずつ。

クリスマスの夜にふと目を覚ました男の子「ボク」は、偶然にも枕元にプレゼントを置くサンタを見てしまい、ある秘密に気がつくのです!

そういえば、お父さんが持っていた大きな包みも、翌朝に洗濯機で見つけたあの赤い衣装も、秘密を裏付けるものばかり・・。

ここまで読んだ皆さんは、サンタの秘密って子どもには知らせたくないアノ事でしょ、と思いますよね?

そんな単純な展開ではありません。

 「ボク」が知ってしまったサンタの秘密とは、大人が(少なくとも私は)考えもしなかった一大事でした。秘密を知った「ボク」の感動と決意でお話は終わります。

2020年10月に復刊されたこの絵本、ただいま本屋さんで絶賛発売中ですので、クリスマスコーナーをのぞいてみてください!

 大好きな人がヒーローなのだと信じて疑わない瞳、そんな純粋さを見せつけられたら、大人は背筋を伸ばさざるを得ません。

そして、守るべき存在に信じてもらえる喜びを胸に大人が活躍し、それを見た子どもが大人に憧れを持って成長できる社会がいいよね、と思うのです。

 2020年に発したコロナ禍が後代の歴史書にどう書き残されるのか、私たちの行動に結末がゆだねられています。

子どもたちの瞳が輝くように行動を選んでいけば、きっと大丈夫ですよね!


 

2020年11月
今月の1冊

『どうながのプレッツェル』

マーグレット・レイ 文 / H.A.レイ 絵 / 渡辺茂男 訳

福音館書店 / 1978年

5月に始まるお話なのに、なぜ今おススメするのかというと、

夜が長く、肌寒くなるこの時期、

「人恋しさから異性を選ぶ目をくもらせないように!」

というおばちゃんのおせっかいから。

特に若い人に読んでほしい、これは、恋のお話です。

主人公のプレッツェルは、ドッグショーで優勝するほど立派な犬。

その胴の長さが自慢です。

“胴長”は人間でいう高身長イケメン☆というところ。

でも、みんなが自分をほめるのに大好きなグレタはふりむいてくれません

「どんなことでもするから結婚してよ」

せまるプレッツェルに、

「では、 しょうこをみせて!」

あくまでも冷静なグレタ。

プレッツェルはグレタに贈り物をしたり、かっこいいポーズを決めてみせたりするのですが、グレタには響きません。

・・本当に子ども向けの絵本でしょうか(笑)

ちょっとした波乱があり事態は急展開、ネタバレしますとハッピーエンドとなるわけですが、そこにはグレタが本当に欲しかった“証拠”とシンプルだけれど深いい一言があるんです!

 

文と絵は「おさるのジョージ」シリーズのレイ夫妻によるもので、愛嬌があり親しみやすいイラスト、アニメと違い、柔らかな色味が素敵です。街角にさりげなくプレッツェル屋さんが描きこまれていたりして、遊び心もたっぷり。

そして、シンプルなお話に込められた「大切なこと」には、むしろ大人の私たちがはっとさせられます。1978年から今でも続くロングセラー本なのもうなずけます。

夜が長く人恋しいこの時期だけれど、たまには一人の夜を絵本と過ごしてみませんか。

心をあっためてくれること間違いなしですよ。


~2020年10月~
今月の1冊

『ネコヅメのよる』

町田尚子 作 / WAVE出版 / 2016年

 

今年の十五夜は暦の関係で月がずれ、10月1日の夜でした。

栗名月ともいわれる十三夜は10月の28日。

今月は、名月を二回楽しめるレアな月なんですね!

お月様がテーマの絵本は名作盛り沢山なのですが、この絵本はというと・・

登場するのは猫だけ。

人間にはわからない何かに感づき、人間が寝静まった夜中に動き出す猫たち。

広がるのは猫たちが待ち望んだある美しい(?)光景です。

それがお月様なのかどうかは本を開いて確かめていただくとして、この本はひたすら猫を見て頂きたい。

可愛く盛ってなどいません。

表情も仕草も自然でなんとも癒されるのです。

一匹で、集団で、上から、下からと、様々な構図で見せるのも飽きさせない理由でしょう。

飼い主の暮らしぶりや町の雰囲気を伝える細かい描き込みや、自身のペットを始めほとんどモデルがいるという猫たち。だからこそ、ネコヅメの夜=人間の知らない世界が、本当に在るような気にさせられます。

いえいえ、人間が知っていることなんて、世界のほんの一部。

月のきれいな夜には、私たちが知らないだけで、不思議な祭典が繰り広げられているのかもしれません。

 


~2020年9月~
今月の1冊

『Michi』

junaida 作 / 福音館書店 /2018年

 

遅い梅雨明けに続いての猛暑、

それでも9月に入り

夏の終わりが見えてきました。

 

日暮れが劇的に早くなり、

夕風がせつなさを誘うと‥

物思いにふけりたくなるのが

人間というもの。

 

そんな時間のお供に

おススメしたいのが

この、文字のない絵本です。

一本の道を歩みだす主人公。

ページをめくる度に現れる

美しく彩られた不思議の町。

『Michi』は

道であり、未知なのです。

 

建物や住人が丁寧に描かれて

文字はないのに

「物語」が溢れています。

グラフィックではなく

手描きの水彩画って

線も色も柔らかいんですね。

疲れ目にも優しいのです。

 

この本、

前からも後ろからも

読むことができて、

真ん中がゴールという仕掛け。

 

順番に読んだり、

前と後ろ交互にめくったり、

主人公に自分を重ねたり、

町の様子から

昔の出来事を思い出したり。

 

物語を作るのは読者自身、

自由に楽しんでほしいという

太っ腹な作者に感謝しながら

今宵も一本道や回り道を

楽しみましょうか。


~2020年8月~
今月の1冊

『セミ』

ショーン・タン 作 / 岸本佐知子 訳

河出書房新社 / 2019年

 

 

ちょっとだけ季節感を意識しましたが、

見ての通り、主人公はサラリーマンの「セミ」

違和感ありまくりですよね!?

 

このセミ、

まじめで実直で仕事にミスはありません。

が、同僚や上司からは蔑まれています。

「セミ」が「ヒト」ではないから・・

 

どこまでもグレーで無機質な色彩と

感情が読み取れないセミの描き方、

表情を見せないヒトの描き方は

暗澹としていてどうにも居心地が悪い。

 

そのセミが定年を迎えるところから

何やら様相が変わってきます。

文字のない絵だけのページで展開していく

定年サラリーマンゼミの変化とは・・?

 

あなたがヒトなら

きっと衝撃を受ける皮肉なラストは

解釈がわかれるところ。

私は、最初に読んだときは

後味の悪さでいっぱいでしたが、

なぜか気になってしまい、何度か読むうちに、

爽快感に変わっていきました。

 

セミはセミの場所で輝ける。

 

今あなたのいる場所が辛くても

誠実に向かい合って。

でも、タイミングが来たら

恐れずに飛び出していい。

本当の居場所に飛び立っていい。

 

そんな気持ちになるのです。

 

この本を読んだ方と

グラス片手に語り合い、希望です(笑)


~2020年7月~

今月の1冊

『ジェーンとキツネとわたし』

ファニー・ブリット 作 / イザベル・アルスノー 絵

河野万里子 訳 / 西村書店 /  2015年

 

この本、「グラフィックノベル」と呼ばれるジャンルなのだそうです。

一般的な絵本の3倍近いページ数で、コマ割りやセリフの吹き出しもある。

コミックエッセイに近い感覚かもしれません。

それに見合って内容も濃い。

舞台はカナダ。いじめられて一人ぼっちの少女エレーヌが主人公です。

エレーヌを取り巻く世界はモノクローム。

落書きやひそひそ笑い、

女の子たちの残酷な表情、

そんな世界にふたをするように、エレーヌは本を開きます。

大好きな小説『ジェーン・エア』を読んでいるときだけは世界に彩りが現れるのです。

このあたり、場面ごとに色彩を変えて心情を表現しているんですよ!

モノクロの日常に訪れた転機が、夏休み前のクラス合宿。

ここでもエレーヌは『ジェーン・エア』を友に孤独をやり過ごしていくのですが、

いじめは止まず、エレーヌの限界が近づいていくのです・・・

 

誰とも話さない少女の心の中に、実はあふれている言葉や感情がしっかり書かれ、

気持ちが変わると目に映る世界の表情も変わるということを色彩で表現している、

さらには『ジェーン・エア』の物語も進行し、私たちはエレーヌとジェーンの二人ともが、恐れずに他者に心を開いて希望をつかむ姿を見ることになります。

短編映画を見たように読み応えのある1冊。

かつて少女だったあなたへ、贈りたい絵本です。


~2020年6月~

今月の1冊

『こびん』

松田奈那子 作 / 風濤社 / 2016年

 

 

新型コロナウィルスのパンデミック。

この広がりの速さはグローバル化の副産物と言えるのだそうです。

さらに、この状況でオンライン化が進み「ネットで世界とつながる」ことが常識に。

5Gという通信システムがいよいよ一般化すると、外部とのつながりを更にリアルでスムーズに共有・体感できるのだとか。

現代人にとって世界は手のひらの中のもの?

 

そんなSFチックな世の中に、

ちゃぷんと波紋をたてる、こびんです。

 

想像してみてください。

広く大きな海を。

波間を漂うメッセージ入りの小さなガラス瓶を。

いつ、どこでどんな人に届くのか、

わくわくしながらメッセージを海に放つ瞬間を。

 

この絵本は、メッセージを預かったこびんが

世界を旅するものがたり。

ページをめくって、

様々な海の表情やそれぞれの土地の気候風土を、優しく美しい色彩で楽しんでください。

効率第一、簡単便利を求める生活にはない

ゆったりした味わいが、そこにはあります。

 

17場面、33ページ、

5分もかからずに読み終わる話の中に

地球の大きさや世界の多様性、

さらには10年以上の時間が詰まっているんだから、

人間の想像力は5G並み、

いえ、それ以上ですよね。

 

なが~い旅のラストは読んでのお楽しみ。

「これって、そういうことだよね?」

という小さな疑問の答えは

「見返し」と呼ばれる表紙裏に描かれているんですよ。

本という形だからこそできる楽しいしかけも絵本の魅力です。


~2020年5月~

絵本は子どもの読み物?

いえいえ。

深いテーマ、ささる一言、癒される絵。短い時間で読めちゃうのも良い!

このコーナーでは、絵本専門士ふじむらゆきこが“大人に効く絵本”を紹介します。

今月の1冊

『それしかないわけないでしょう』

ヨシタケシンスケ 作 / 白泉社 / 2018年

 

流行に振り回されず、自分の定番を見つけることは、大人の証の一つです。

でもそれは、自身の思考が固くなってしまうことと紙一重。

こういう時はこうなんだ。この場合はこうするもの。

そんなカチコチの物差しを他人にも押し付けてしまったりして・・・。

 

そんな時は、哲学絵本ともいわれるヨシタケさんの本を開いてみてください!

大人のいうことはすべて正しいのか?必ずそうなるのか?

おばあちゃんの一言がきっかけになり、

「それしかないわけないじゃない!」と

様々な未来を思い描く女の子と一緒に、それ以外の方法を考えていきましょう。

 

シンプルな線で描き込みすぎなイラストは読み手の想像を邪魔しないので、

読みながら「自分自身のもしもの世界」を積み重ねていくうちに

頭が柔らかく、心の枷が取り払われて、なんともいい気持に♪

この楽しい発想が、働く世代ではなく「子供とシニア」の組み合わせによって生まれているところも考えさせられます。

 

ステイホームが続く日本。

この局面を乗り切り、その後の未来が前よりも良い方向に進むように、

しなやかさ、柔らかさを持ちたいものですね!


~2020年4月~

今月の1冊
『あさになったのでまどをあけますよ』
荒井  良二  作

偕成社  2012年出版

未知のウイルスの影響で、世界中が不安を抱えて 過ごす毎日。
それでも地球は回っていて、必ず朝がやってきます。

この本は、その新しい一日をまっさらな気持ちで迎えるための魔法の絵本。

本を開くと、見開きいっぱいに描かれる朝の風景

さわやかな青色・優しい緑色・朝日の茜色や黄色が心に染みわたります。

そこに添えられているのは、この町が好き、この風景が好き、という短い言葉。

ページをめくり、次々に変わる景色と繰り返される言葉を楽しむうちに、心が軽くなっていきますよ!

当たり前の一日を特別な一日にするために。朝になったら窓を開けて、

「やっぱり〇〇が好き」

と、声に出してみませんか?

PAGE TOP